マルチ(光散乱+粘度+示差屈折率)検出器 Agilent 1260 InfinityⅡ MDS

2角度式光散乱、粘度、示差屈折率(RI)の3種の検出器が一体になった検出器です。
GPC/SECと接続することで、高分子の絶対分子量分布、分子サイズ分布、固有粘度分布を測定できます。

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なぜ、マルチ検出器が必要なのか?

近年、高分子は、機能性材料のみならず健康食品、次世代医薬品など多くの分野で利用されており、新製品や新薬を開発するうえで、その物性と密接に関係する分子量、分岐度、および溶液中での相互作用を知ることは非常に重要です。

高分子の分子量分布や、蛋白質の会合体の測定には、GPC/SEC法が広く一般的に使用されていますが、GPC/SEC法は、分子量既知の標準試料との相対比較による分子量値しか得ることができず、近年活発に研究開発が進められている特殊構造を持つ高分子の分子量や、溶液中における蛋白質の会合体や複合蛋白質の正確な分子量を測定することは困難です。
そのため、高分子の正確な特性解析を行うには、光散乱検出器、粘度検出器といった絶対的な測定を行える検出器が必要です。

Agilent 1260 Infinity Ⅱ MDSは、15°及び90°の2角度光散乱検出器及び、光散乱検出器と同じ光源波長を持つ示差屈折率(RI)検出器から、各種高分子の正確な分子量(絶対分子量)を求めることができ、粘度検出器とRI検出器からは、高分子の固有粘度を求めることができます。

Agilent_1260_Infinity2_MDS_クロマトグラム

マルチ検出器でできること

  • 高分子の絶対分子量分布測定
  • 高分子のGPCユニバーサルキャリブレーション法による分子量分布測定
  • 溶液中の高分子の分子サイズ分布測定
  • 溶液中の高分子の固有粘度分布測定
  • 溶液中の蛋白質の会合数の決定
  • 溶液中の高分子のコンフォメーション評価
  • 高分子の分岐度評価

各検出器の特長

2角度式光散乱測定

GPC/SECカラムから分離溶出した高分子溶液のような希薄溶液条件下では、特定の高分子溶液にレーザー光を照射した際に発生する光散乱強度は、高分子の分子量と濃度に比例します。その際の光散乱強度は、溶液中の高分子の分子サイズが大きくなると、大きな角度依存性を持ちますが、蛋白質や、多くの合成高分子においては、角度依存性が無い、もしくは緩やかな直線的なものであることが殆どです。 よって、多くの高分子において、低角度(15°)と90°の2角度の光散乱強度を測定することで、絶対分子量、分子サイズ(回転半径)を算出することができます。

光散乱検出器と同じ光源波長の示差屈折率(RI)検出器

静的光散乱法にて、特定の高分子の分子量を算出するためには、その高分子溶液の光散乱強度の他、濃度情報が必要です。SEC/GPCカラムより溶出した高分子の濃度は、RI検出器のピーク高さから求めることができます。 光散乱強度と示差屈折率の大きさは、共に屈折率濃度増分(dn/dc)に依存します。このdn/dcは光源波長に依存するため、GPC-光散乱測定をする上で、光散乱検出器と示差屈折率の光源波長を合わせることで、より正確な分子量を算出できます。

粘度検出器

粘度検出器とRI検出器を併用することで、GPCユニバーサルキャリブレーション法による、より正確な分子量測定を行えます。 また、粘度検出器とRI検出器から算出できる高分子の固有粘度〔η〕は、Mark Houwink-Sakuradaの粘度式に基づき高分子の分子量、分子構造にも依存します。よって光散乱検出器より得られる絶対分子量と固有粘度の双方の情報を比較することにより、溶液中の高分子の分子形態や分岐度評価を行えます。

測定例

臭素化ポリスチレンとポリスチレン / 各検出器のクロマトグラム

Agilent_1260_Infinity2_MDS_臭素化ポリスチレンとポリスチレンの測定例

分子量分布

Agilent_1260_Infinity2_MDS_分子量分布

Mark Houwink-Sakuraプロット

Agilent_1260_Infinity2_MDS_Mark Houwink-Sakuraプロット

通常のポリスチレンと物性の異なる臭素化ポリスチレンの正確な分子量分布を測定し、
Mark Houwink-Sakurdaプロットによる構造の違いを明確に示すことができています。

アプリケーション

仕様

仕様表
光散乱検出器部
検出器数 2角度(90° 及び 15°)
レーザー波長及び出力 660 nm / 50 mW
サンプルセル容量 10 µL
光散乱容量 0.01 µL
温度制御 30-60℃
温度安定性 ±0.2℃
粘度検出器部
せん断速度 3000 s-1
感度 ηsp
1×10-5 Pa.s
温度制御範囲 30-60℃
温度安定性 ±0.2℃
RI検出器部
セル容量 6 µL
最大耐圧 350 kPa (50 psi)
光源波長 660 nm
温度制御範囲 30-60℃
温度安定性 ±0.2℃
装置全体
寸法(2検出器まで搭載時) W490mm × H390mm × D400mm
寸法(3検出器搭載時) W490mm × H650mm × D400mm

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