多機能デバイスデンドリマーのSEC-MALS測定

多機能デバイスデンドリマーのSEC-MALS測定

 

多機能デバイスデンドリマーの純度、安定性、分布など基準となるデータを求めるために、SEC-MALS分析を行った例を紹介します。ここで紹介するナノデバイスは、葉酸受容体を介した腫瘍細胞への細胞内のドラックデリバリーへの活用に期待されているもので、Fig1の構造式で表せるものです。

 

SEC-MALS測定の検出器として、多角度光散乱検出器(MALS)DAWN、示差屈折率検出器(RI)Optilab、UV検出器を使用しています。測定の結果、光散乱及びUV検出器のピーク形状は一山かつシャープとなり、この三機能デバイスの純度が高いことが示されました。SEC-MALS測定により算出した分子量は、低分子側裾野のRIピークの小さい箇所を含んだ場合のMnが32,160Da、除いた場合で43,220Daとなり、Fig1に示したものの合成が成功したことを確認する指標の1つとなりました。

(通常のSEC分析では、このような構造を持つ高分子の正確な分子量測定ができません)

また、多分散度(PDI)が1.1以下となり、この試料がデンドリマープラットフォームに沿った機能グループの比較的均一な分布を持つことが明らかになりました。

 

Fig1. 3機能ナノデバイスG5.Ac.FITC.FA.OH.MTXの構造式です。葉酸(FA) 、フルオレセリンイソチオシアネート(FITC)、メトトレキサート(MTX)が各々ターゲティング、イメージング、ドラックデリバリー能力を付加するためにターミナルグループに共有結合しています。各機能性分子の下付きの数値はジェネレーション5ポリ(アミドアミン)デンドリマー核(G5)に結合している分子数です。

 

Fig2. SEC-MALS-UV-RIのクロマトグラフ。光散乱90°(茶)、示差屈折率計(緑)、UV検出器(赤)

 

本アプリケーションは、ミシガン大学のMohammad T. Islam氏, Istvan J. Majoros氏, James R. Baker Jr氏らのご好意によりWyatt Technology社に提供頂いたものです。

 

詳細は、添付のPDFファイル(英文原稿)をご覧ください。

 

本アプリケーションで使用した装置の詳細は以下をご覧ください。

多角度光散乱検出器DAWN

示差屈折率検出器Optilab

 

 

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