多角度光散乱検出器 Agilent 1260 InfinityⅡ MALSは、静的光散乱測定法を用いて、高分子の絶対分子量及び溶液中の分子サイズ(回転半径)を測定します。GPC/SECシステムと接続することで、高分子の絶対分子量分布、分子サイズ分布を求めることが出来ます。

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なぜ、多角度光散乱検出器(MALS)が必要なのか?
近年、高分子は機能性材料分野のみならず、健康食品や次世代医薬品など、さまざまな分野で利用が拡大しています。新製品や新薬の開発においては、物性と密接に関係する分子量、分岐度、溶液中の相互作用を正確に把握することが非常に重要です。
高分子の分子量分布や蛋白質の会合体の測定には、GPC/SEC法が広く用いられています。しかし、GPC/SEC 法で得られる分子量は、分子量既知の標準試料との相対比較に基づく値であるため、近年研究開発が進んでいる特殊構造を有する高分子や、溶液中で形成される蛋白質会合体、複合蛋白質の正確な分子量を測定することは困難です。
一方、多角度光散乱検出器は、静的光散乱法を用いることで、溶液中の高分子の分子量および分子サイズ(回転半径)を直接求めることができます。
GPC/SEC に 多角度光散乱検出器を接続することで、あらゆる高分子の正確な分子量を求めることが可能です。
高分子溶液に光(レーザー)を照射すると、その光と同じ波長で高分子が散乱(レイリー散乱)します。その光散乱の強さ(光散乱強度)は、分子量の大きさに関係します。HPLCのような希薄な濃度条件下では、光散乱強度、散乱角度、分子量の基本関係は、以下の式で表されます。

ここで、
R(θ):過剰還元散乱強度(過剰レイリー比):光散乱強度から求められる
C:試料濃度(g/mL)
Mw:重量平均分子量
A2:第2ビリアル係数
K*:光学パラメーターで、4π2n02(dn/dc)2/[λ04NA] で表せます。
n0:溶媒の屈折率
dn/dc:屈折率の濃度増分
NA:アボガドロ数
λ0:真空中での入射光の波長
P(θ) は分子内干渉因子の関数であり、散乱光の角度依存性に関係します。低角度の領域では、この変化は根平均二乗回転半径 <rg2> に依存します。
HPLC 測定のような希薄濃度条件下での K*c/R(θ) と sin2(θ/2) のプロットから、その切片から重量平均分子量 Mw が、低角での初期勾配から回転半径 <rg2> が求められます。

上記図内の は、各角度における過剰レイリー比R(θ)の逆数をプロットしたものです。分子サイズが大きくなると、高角度側の光散乱強度が分子内部干渉の影響を受け、小さくなります。(このプロットは逆数のため大きくなります)この時、内部干渉の影響を受けないゼロ度角の散乱強度が重量平均分子量Mwに依存し、初期勾配が回転半径Rgに依存します。 Agilent 1260 InfiniyⅡ MALSは、20角度の光散乱強度を同時に検出することにより、より正確な分子量、回転半径を求めることができます。
お手持ちのSEC/GPCシステム(RI検出器付き)にMALSを接続することで、SEC/GPC-MALSにビルドアップできます。

NISTポリスチレン標準SRM-706a(公称値:Mw:285,000)を測定した結果、溶出時間における分子量(赤)、回転半径Rg(草色)を示しています。公称値どおりのMwが得られています。

光散乱測定法は、質量分析計と異なり、イオン化をする必要がありません。その為、溶液中に含まれる会合体を測定できます。

| 分子量測定範囲 | 103 Da ~ 109 Da(サンプルに依存) |
|---|---|
| 分子サイズ測定範囲 | 8 nm ~ 500 nm(Rg)(サンプルに依存) |
| 検出角度及び数 | 12° ~ 164°に20角度 |
| 最大圧力負荷 | 5 bar |
| セル材質 | ガラス、チタン、PTFE+20 %カーボン |
| セル材質体積 | 63 µL |
| セル温調 | 室温+10°~50° 温度安定性:±0.01°(35°温調時) |
| レーザー | 10~120 mW、波長:660 nm |
| 安全機能 | 漏液センサー、蒸気センサー |
| 寸法 | L460mm × W260mm × H160mm |
| 重量 | 12.6 ㎏ |
| 電源 | 100-240 V、155 W |