高温GPCとの接続

高温オプション付きのDAWN DSPをWaters社製高温GPC装置150Cに接続することにより、高温でないと溶解しない高分子のキャラクタリゼーションができます。 高温GPCで分析されるサンプルは特別な物性を持つように開発されるため、GPC(SEC)のキャリブレーションに用いるスタンダードも制限されます。 それにもかかわらず、一般的に物性等を充分考慮せずにキャリブレーションを行っているのが実情です。 150Cに DAWN DSPを接続することによりカラムのキャリブレーションを必要とせずに絶対分子量と分子サイズを得ることが可能です。

図1にはポリプロピレン(Polyproylene)の分析例を示します。 DAWN DSPの読み取りヘッド(セルと検出器の取り付け部分)を135℃に温度を保ち、Wyatt社によって製造された1mの長さの温度調節(±0.1℃)された2本の接続管により150Cと接続します。 DAWN DSPとRI検出器の応答を示していますが、RIの応答は濃度にのみ対応するのに対して、DAWN DSPの応答は分子量と濃度の積に対応しているため、高分子側の応答が大きくなっています。 ポリプロピレンは適当なスタンダードが無い熱可塑性の樹脂の1つですがDAWN DSPを用いることによりキャラクタリゼーションが可能となります。

図2は図1で示されたデータから計算された分子量と溶出時間の関係を示したものです。 Waters社のMillemiunソフトウエアパッケージとDAWN用解析ソフトウエアASTRAを用いることにより、ポリエチレンやポリプロピレン、スタンダードが使えないその他の熱可塑性樹脂の正確なキャラクタリゼーションが可能となります。

測定結果は流速、リテンションタイム、サンプルの構造に依存しないので絶対的な値です。 さらに、DAWN DSPはこれらの高分子のサイズ、分岐度が測定でき、屈折率検出器で通常検出できない超高分子量のマイクロゲルの超低濃度を検出できます。

図1:RIと光散乱(90°)の応答をASTRAで作図したクロマトグラム

図2:LSデータの分析から分子量と溶出時間の関係“いわゆるキャリブレーションカーブ”を図示したもので、濃度(RI)プロフィールをダブらせて図示したものです。

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