合成ゴム:ポリクロロプレン

第二次世界大戦以後、ポリマーの領域において合成ゴムの役割は日増しに大きくなってきました。 大戦の影響で東南アジアからの、天然ゴムの供給がストップしたため、米国では天然ゴムに置きかえるべき合成ゴムの開発と物性測定に力を注ぎました。

1940年代は、ポリマー研究の黄金時代といえます。 枢軸国側によって供給がストップした物資の置き換えのための新素材の関発と共に、ポリマーを測定する装置の開発がBruno Zimm、Walter Stockmayer、Peter Debye 等によって行われました。 これらの合成ゴムの性質は、その分子量分布に大きく依存するため、期待されるレオロジー上の性質を得るために、光散乱機器がモル分子量測定用の機器として開発されました。

1990年代に入って、合成ゴムは天然ゴムにすっかり取って代わり、テニスシューズから自動車用タイヤまで、多くの物に使用されています。 合成ゴムを使用した製品は激増していますので、その絶対物理量を測定することの重要性はますます大きくなってきています。

miniDAWNは、サイズ排除クロマトグラフィーと共に使用されて、この目的のために大きな役割を果たしてきました。 ここでは、合成ゴムの一種であるポリクロロプレンをTHF溶媒で測定した例をご紹介します。 ポリクロロプレンの場合には、物性が特に高分子成分により影響を受けます。 しかしながら、示差屈折率検出器や粘度検出器では、サンプルの違いが充分に測定できません。

この測定を行ったユーザーは、miniDAWNをHPLC装置に接続して測定を行いました。 miniDAWNにより、高分子成分を分離できるだけでなく、溶出容量に対応する分子サイズを測定することができます。

図は、サンプルによる差を示します。微分モル分子量分布および微分分子サイズ分布により、3つのサンプルの差が最も顕著に示されます。

3つのポリクロロプレンの微分モル分子量分布

図1:3つのポリクロロプレンの微分モル分子量分布によりサンプル間の差が簡単に測定できます。

miniDAWNを用いた微分分子サイズ分布

図2:miniDAWNを用いた、微分分子サイズ分布により溶出容量、分子構造、「fudge factor」等に関係無く、サンプルの差を測定することができます。

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