FFF-MALSを用いた脂質エマルジョンの粒度分布測定

エマルジョンは製薬、化粧品、化学工業分野で幅広く使用されています。 エマルジョンのキャラクタリゼーションで最も重要なパラメーターの一つは粒子のサイズ分布です。

エマルジョンの粒子サイズはその安定性のようなエマルジョンの物理的特性に大きな影響を与えます。 サイズ分布の特性解析を行う能力はこれらの研究のために有効な結果を迅速に提供します。

ワイアット社のDAWN(r) DSPを用いてオンラインのサイズ測定ができるクロスフローフィールドフローフラクショネーション(FFF)の分離能力の結合により絶対的なエマルジョンの量測定ができる決定的な技術になりました。 フラクショネーターはサイズによってエマルジョン粒子を分離したあとで、各溶出分画がDAWNを用いてリアルタイムで測定されます。 粒子のため(fP)のASTRAソフトウエアパッケージは散乱光のデータ収集と分析の全てを制御します。 ASTRA fPは収集された光散乱データを根平均二乗(rms)粒子サイズに変換します。 数と重量の分画サイズ分布(微分と積分)の両方が濃度検出器を用いずに光散乱データから生成されます。

コレステロール、リン脂質、サポニンのような脂質エマルジョンはFFF/DAWNシステムを用いて分析されました。 各溶出分画について測定されたrms半径を図1に示します。 この図ではエマルジョン粒子が約15nmから40nmの範囲のrms半径を持っていることを示しています。 GPC/SEC分離と比較すると、小さなリポゾームがFFFでは最初に溶出しています。 図2はそれらのデータから計算された微分重量分画分布を表しており、約40nm付近まで幅広く裾を引き20nmの半径付近に最大値を示します。 数と重量の両方の分画サイズ分布を生成する能力はエマルジョンをキャラクタリゼーションするための基本なものです。 FFF-DAWNシステムを用いることにより、サンプルの前処理を簡略化して絶対測定が行えます。

エマルジョンの全体の粒子サイズ母集団について測定されたrms半径

図1:エマルジョンの全体の粒子サイズ母集団について測定されたrms半径

濃度検出器を必要とせずに図1のデータから計算された微分重量分画分布

図2:濃度検出器を必要とせずに図1のデータから計算された微分重量分画分布

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