タンパク質のPEG修飾

バイオテクノロジーの発展に伴い、人体への薬物の投与について色々な手法が生れました。 今までに経験した多くの問題の中心は、薬物が薬効を発揮する前に急速に拒絶反応を起こしたり排除が起こることです。 血流中で、より効果を発揮するためにタンパク質を変性させる多くの手法があります。 それらの中で糖鎖修飾とPEG修飾が多分、最もポピュラーなものです。 前者は、糖鎖をタンパク質に結合させ、後者は、ポリエチレングリコール(PEG)鎖を結合させる方法で、これらを“ヒゲ”のように結合させることにより、タンパク質の半減期が長くなり、また患者の血流中での加水分解や排除を少なくすることが可能です。

このアプリケーションノートではモノクローナル抗体のPEG修飾前後について測定したものです。 図1に示されるように抗体はピーク全域にわたり150Kダルトンの一定の分子量を示しています。 反復法を用いてタンパク質1個当たりに結合したPEGの数が計算され、図示されています。 クロマトグラフ装置としてHP1050HPLCシステムにminiDAWN多角度光散乱検出器、Wyatt/OptilabDSP干渉型屈折計、ファルマシア社のSuperrose1230/10HRカラムを接続して測定されました。

結果はPEG修飾前後の特性を最も顕著に現しています。 今まで難しかったタンパク質に結合するPEGの数を簡単に測定できます。 このようにminiDAWN(r)を用いることにより実験法が非常に簡単になりました。

PEG修飾前の150Kダルトンのタンパク質

図1:PEG修飾前の150Kダルトンのタンパク質。ピークの全領域にわたり一定の分子量であることに注目。

PEG修飾された同じタンパク質

図2:PEG修飾された同じタンパク質。PEGの結合数によりピーク中の分子量が劇的に変化していることに注目。

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