RPC/MALSによる小麦タンパク質のキャラクタリゼーション

グルテンは小麦に存在する2つのタイプのタンパク質(グリアジンとグルテニン)の混合物です。 小麦から作られるパンの品質はグルテンタンパク質に大きく依存します。 良質のパンを焼くには、なまパンの練りによりグルテンタンパク質が粘弾性のネットワークを形成することが必要です。 これらのタンパク質のキャラクタリゼーションは非常に重要なため、広範囲にわたる研究に10年余りの時間が費やされました。 しかし、それらの正確な構造やサイズは溶解性が低いのと複合性が高いのと、適当なキャラクタリゼーション手法が無いために未だ解明されていません。

逆相クロマトグラフィー(RPC)がその高い分解能のために小麦タンパク質を分析するのに広く用いられています。 このノートではDAWN(r)DSP多角度レーザー光散乱(MALS)光度計とRPCの使用により小麦タンパク質であるTAM105の分子量と分子サイズの両方を決定するのに新しくて強力な手段になることを示しています。

本分析はHP1050システムのUV検出器とDAWN(r)DSP光度計を接続し、アセトニトリル/水のリニアグラジエントによりODSシリカカラムを用いて測定しました。

小麦蛋白ピークの分子量と分子サイズ値

 

Proteins
No.
Molar Mass [D] RMS Radius [nm]
cDNA DAWN DSP DAWN DSP
1 68.7 67.6±0.3 11.7±1.5
2 87.2 87.4±0.4 11.4±1.5
3 83.1 79.7±0.4 11.7±1.5
4 N/A 70.6±0.7 13.8±2.6

消衰係数の情報により1回の測定で関心のある各タンパク質の分子量決定ができます。 表は最も関心のある4つの蛋白について光散乱とcDNA技術の両方で決定された分子量のリストです。 rms半径はタンパク質が逆相クロマトグラフィーの条件下で棒状の形態を示すことがDAWNのデータから直接測定されました。
注)サンプル、カラム、cDNAはカンサス大学から提供されたものです。

同定された4つの関心あるピークのクロマトグラム

図1:同定された4つの関心あるピークのクロマトグラム

選択された4つのピークの特定のスライスについて分子量、分子サイズと統計的な不確定性についてのレポート

図2:選択された4つのピークの特定のスライスについて分子量、分子サイズと統計的な不確定性についてのレポート

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