複合スターチのバッチ測定

多糖類(澱粉は重要な例である)は単純に多数の単糖類が結合した炭水化物です。 これらの分子は多くの場合、分子量が非常に大きいので現在利用できるSECカラムの排除限界分子量を越えているためサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を用いて分離ができないことがあります。 こんな時ワイアット社のDAWN(r)DSPは分離を行わないで超高分子の澱粉(Starch)の重量平均分子量とZ平均の分子サイズをバッチ法または“マイクロバッチ”法を用いて求めることができます。 DAWN(r)システムが商品化される以前は、静的に分子量測定を実施するのは退屈でかつ長時間を要しました。 しかしDAWN(r)の半導体エレクトロニクスとWindowsベースのソフトウエアの出現により、これらの測定がルーチンな仕事として短時間で処理できるようになりました。 ここで報告された澱粉サンプルはDMSO/水の混合溶媒に正確な濃度で溶解されました。 “バッチ”モードではサンプルはシンチレーションバイアルに入れられます。 一方“マイクロバッチ”モードではサンプルは装置のフローセルに直接注入されます。 マイクロバッチの実験では、ASTRAソフトウエアのジムプロットモジュールを用いてデータの収集と解析が行われます。 ゼロ角度に外挿された角度依存から根平均二乗半径(r.m.s.radius)を、ゼロ濃度に外挿された濃度依存から第2ビリアル係数(溶媒と溶質の相互作用の測定)を、両方の外挿線の交点から重量平均分子量を決定することができます。

図1はacid-thinned澱粉のマイクロバッチ分析の結果を示しています。 重量平均分子量(7.47 ± 0.09)×106はこの澱粉サンプルの重要な特性のいくつかと相関していると考えられます。 図2はU.S.D.A.(NCAUR,Peoria,IL)のJeerry Klavons氏から提供された超高分子量の澱粉について作成したものです。 スタンダードのシンチレーションバイアルを用い、屈折率増分であるdn/dcのオフラインでの測定はDAWN(r)のHe-Neレーザー(λ=633nm)と同じ波長で動作するWyatt/Optilab DSP干渉型屈折計を用いて行われました。

DAWN(r)DSPマイクロバッチ分析で得られた酸で処理された澱粉のジムプロット。

図1:DAWN(r)DSPマイクロバッチ分析で得られた酸で処理された澱粉のジムプロット。

DAWN(r)DSPでシンチレーションバイアルを用いて得られた高分子量の澱粉のベリープロット。

図2:DAWN(r)DSPでシンチレーションバイアルを用いて得られた高分子量の澱粉のベリープロット。

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