DNAのキャラクタリゼーション

1950年代初頭におけるワトソンとクリックによる初期の研究以来、全ての既知の生体組識と大部分のウイルスの遺伝情報をコードとして記憶する高分子がDNAであることが一般に受け入れられています。 DNAのキャラクタリゼーションにおいて、特にそのサイズは生化学の研究、診断や法医学の分野で重要な役割を担っています。

DNAのサイズは一般的に電気泳動により測定され、多くの安全と環境に問題を起こす強力な発ガン物質であるエチジウムブロミドの蛍光により検出しています。

このアプリケーションノートでは、DAWN-DSP多角度レーザー光散乱(MALS)検出器を超二重ら旋DNAの分子量とサイズを測定するためにサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)用カラムを接続したHPLCシステムに接続しました。 このDNAはしばしば超ら旋性の度合いの違いによりゲル上に複数のバンドを示すことがあります(電気泳動を用いるサイズ測定でしばしば混乱を起こす現象)。

これらについての多角度光散乱測定の結果はDNAが分子量1.77M、根平均二乗半径82nmの一定の値を示しています。 このDNA分子の理論値1.73Mとの間にすばらしい一致が認められ、光散乱測定によって得られた結果は興味をそそられる分子のサイズ、形状または構造について仮定を設けずに絶対分子量を測定するためのDAWN-DSP検出器の非凡な能力を示しています。

溶出容量に対して大きな半径を示すDNAクロマトグラムのスライスのデバイプロット

図1:溶出容量に対して大きな半径を示すDNAクロマトグラムのスライスのデバイプロットです。

ASTRAの分子量対溶出容量のプロット

図2:ASTRAの分子量対溶出容量のプロットはピーク中のDNA分子の分子量が一定であることを示しています。

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